この記事では、麻雀の配牌の取り出し方(マナー)についてご紹介します。
■まず、マナーよりも大事なこと
それは「マナーを守ることを目的にしてはいけない」ということです。
大切なのはその場にいる人たちがお互いに気持ち良く快適に過ごしたり、麻雀で言えばゲームをスムーズに進行することで、マナーはそのための指針・手段に過ぎません。
それに状況が変われば良しとされているマナーも変化しますので、マナーを知っているかどうかはさほど重要ではありません(おいおい知っていけば良いだけです)。
またマナーを守ることを目的にすると、「マナーさえ守っていれば、あとは何をしても許される」という勘違いを生み出してしまいます。
(これはマナーを”法律”に置き換えると、世間で良く目にすることでしょう)
マナーはあくまで手段ですので、本来の目的を頭にとどめておいていただければと思います。
■配牌の取り出し時に気を付けた方が良いこと(中級者・上級者向け)
<中級者・上級者向け>
(1)親がサイコロを振って出た目で、子が自分の前の山を分けなくて良い
(2)王牌を7トンで区切らなくて良い
(3)嶺上牌(リンシャンハイ)を下に降ろす
(4)自分の前の牌山を他の人が取りやすいように前に出す
(1)親がサイコロを振って出た目で、子が自分の前の山を分けなくて良い
初心者や仲間内ではよく見かけるケースで、上の四コマ漫画のようにサイコロの出た目の山の前の人が山を分ける”風習”がありますが、ある程度打てる人たちや麻雀荘ではこのようなことは行いません。なぜなら、
■非効率的な行為だから(ゲームの進行が遅くなります)
中級者、上級者になれば、山を分けてもらうよりも親が自分で正しい位置から牌を取り出す方が早くなります。
例えばサイコロで7(トイ7)が出た場合、
「対面(西家)が山を7トンで分ける」→「親が最初の配牌4枚を取る」よりも、
最初から「親が最初の配牌4枚を取る」方が手順が少ないのです。
「そんなこと言っても、サイコロが10・11・12のように大きな数だと、正しい取り出し位置がすぐに分からないよ」という方は、以下の方法を覚えると良いでしょう。
この方法は、牌山が決まり通り17トンずつ積まれていることが前提となります。
自動卓では(4人打ちの基本的なルールでは)17トン積まれるので問題無いですが、仲間内など手積みで行う場合、誰かが18トンや19トンも積んでしまうとこの方法は使えなくなってしまいます。
ゲームをスムーズに進めるためには17トンずつ積んだ方が良いでしょう。
■山を崩す・牌を落とす可能性が増えるため
崩れて落とした牌が見えると、本来知ることのなかった情報が分かってしまい、麻雀のゲーム性が大きく損なわれてしまいます。
例え1つの牌であっても、他人がどの牌を持っているかという情報は非常に大きな手掛かりになります。
このようなことを防ぐために、不要に牌山を触ったり動かしたりする回数は極力減らした方が良いのです。
また他の人が牌を取りやすくするために牌山を前に出す動作(後述(4))とは違い、山を分ける時は2~3トンずつに区切ってそれを数回繰り返すような”牌山を横にずらす”動作となりがちです。
積まれた牌山の並びがずれて牌が落ちる原因となるのです。
(2)王牌を7トンで区切らなくて良い
これも先ほどの例と同じで山を崩したり牌を落とす可能性のある行為です。牌山の残り枚数は見た目で分かりますので、わざわざ王牌として7トン(14枚)を区切る必要はありません。
(3)嶺上牌(リンシャンハイ)を下に降ろす
こちらも牌が落ちて見えてしまうことを防ぐためですが、嶺上牌で上がるとそれだけで嶺上開花(リンシャンカイホウ)という役が付きますので、他の牌よりさらに注意する必要があります。
(4)自分の前の牌山を他の人が取りやすいように前に出す
使用する卓の大きさにもよるのですが、一般的に使用されている自動卓の大きさであれば対面にある牌山は少し遠く取りづらいため、少し前に出してあげると取りやすくなります。
■初心者同士であれば推奨マナーも変わってくる
状況が変わればマナーも変わると申し上げましたが、麻雀を打つメンツ(メンバー)によっても変えた方が良い場合があります。
・まだ麻雀を覚えたばかりの、自分のことで精一杯の方
・麻雀の中身やゲーム性を追求するより、みんなでワイワイ楽しく話しながら打ちたい方
・山からこぼれて牌が見えても打ち筋に影響しない人(その情報の使い方を知らない)
このようなメンツが集まって打つ場合は、先ほど挙げたマナーも変えた方が良い場合があります。
<初心者向け:中級者・上級者の(1)~(4)は無理してやらなくても良い>
(1)親がサイコロを振って出た目で、子が自分の前の山を分けてあげても良い
(2)王牌を7トンで区切っても良い
(3)嶺上牌(リンシャンハイ)を下に降ろさなくても良い
(4)自分の前の牌山を他の人が取りやすいように前に出さなくても良い
それよりもまずは以下のようなことができるようになると良いと思います。
<初心者向け:まず意識した方が良いこと>
(5)配牌やツモってくる場所を分かるようになる・間違えないこと
(6)自分がツモる番に気付くこと・間違えないこと
(7)ドラ表示牌をめくるのを忘れないこと
(8)立直して上がったあと、裏ドラを確認するのを忘れないこと
(9)点棒のやり取りを適切に行えること
■まとめ
中級者・上級者だとご自身で認識されている方は、決められているマナーだけで無く、相手や全体のために何ができるかを意識されると良いでしょう。
また初心者の方は、まずは自分のことができるようになること、次に他の人・全体のことに気付いて行動できるようになること(=マナーを身に付けること)が中級者・上級者への近道になると思います。
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